シーマスターの誕生

1948年、オメガは創業100周年を記念していくつかのモデルをリリースしました。

その一つが、後にオメガを代表するシリーズの一つとなる防水時計のシーマスターです。

当時の広告にはこのように記載されていました。

『オメガ シーマスター

アクティブな男のための時計。

貴方の前に26,000名のパイロットが使用』

『オメガ シーマスターには既に歴史があります。』

 

これらのキャッチコピーのとおり、シーマスターはオメガがイギリス空軍に供給したパイロットウォッチを民間用に仕立てたモデルでした。

元はパイロットウォッチだとは驚きです。

 

当時の防水時計は、大半が防水用のガスケットを持たないか、持っていても鉛やシャラック製の不完全なものでしたので十分な気密性は期待できない代物でした。

オメガは、気密性=防水性を改善する切り札としてニトリル製のOリングに注目しました。

1040年代初頭、航空機メーカーのノースロップが採用したOリングは、すぐさま連合国軍に採用され、それをオメガはR.A.F(イギリス空軍)用のパイロットウォッチと民間用のシーマスターに採用したのです。

時計での採用例としては初の試みだったでしょう。

Oリングで気密性を確保したシーマスターは本当の意味での近代的な防水時計となりました。

オメガは、1954年にスイスの時計研究所でシーマスター用のケースを50個テストします。

60mの防水性とマイナス40℃からプラス50℃までの気温変化に耐える性能は、他社を圧倒的に凌駕していました。

 

しかし、シーマスターの設計と商業的な成功はライバル他社を刺激するには十分でした。

1957年、ブランパンとゾディアックがダイバーズウォッチをリリースすると、その1年後にはロレックスが「サブマリーナ」を発表しました。

ちなみに、水中でも読み取り可能な回転ベゼルで特許を取得したのはブランパン、正しくは当時CEOだったジャン・ジャック・フィッシュです(スイス特許番号515460、1955年9月14日公開)。

これもラバー製のOリングに依存した防水システムを持っていました。

 

これらライバルに張り合うべく、オメガはダイバーのゴードン・マクリーンにシーマスターをつけさせてオーストラリア沖で62.5mの潜水記録を樹立しました。

それでもロレックスを含むライバル他社に及ばず、オメガは防水性能を3倍以上に高めた初の本格的ダイバーズウォッチ「シーマスター300」の開発に着手することになりました。


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